流行りのHMBの効果について学術論文より

HMBサプリの広告がやたら目につきますが、HMBの効果の根拠についてちゃんと説明していないものが多い印象です。

実際のところどのような研究がされているのか、論文を検索してみました。

HMBとは?

HMB(β-Hydroxy β-MethylButyrate)とは、β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸と言って、必須アミノ酸のBCAAのひとつ「ロイシン」の中間代謝物です。

BCAAほどではないですが、Dr. S. Nissenが1996年に筋トレに対する効果を論文発表していからかなり研究されているようです。

最初にHMBの筋トレに対する効果を示した論文

最初にHMBの筋トレに対する効果を示した論文(PDF)がこちら。

J. Appl. Physiol. 81(5): 2095–2104, 1996.

被験者計41名について、HMBを1日1.5gまたは3g摂取し1.5時間の筋トレを週3日3週間継続することで比較試験を行っています。

その結果、骨格筋の分解の指標である、血漿中のクレアチンフォスフォキナーゼ(CPK)値及び尿中の3-メチル ヒスチジンが有意に低下しており、筋肉の分解を抑制する効果が認められました。

同時に3g摂取した群では筋力と筋肉量(除脂肪体重)も有意にアップ!!!

これは凄い!という訳で、アスリートや筋トレ愛好家の間で流行っていますし、医療的にも老人やがん患者の筋力低下対策として注目されています。

HMB摂取はサプリメントが効果的

1日にHMB 3gを体内で合成しようとすると約60gのロイシンが必要。

これは例えば鶏胸肉では2kgも食べないといけないので、現実的ではありません。

サプリメントを併用してHMBを摂取するのが効率的です。

ただし、ちっちゃなタブレットを1日1~2錠飲むだけでダイエット効果があったり筋トレに効果があるかのようなうまい話を書いている粗悪な商品もあるので要注意。

これ、少なくともHMB1~2gをサプリメントで取ると考えても、それなりの量を飲まないといけませんからね。

ネイチャーメイドマルチビタミンのタブレット(慣れないと喉に引っかかる大きさ)自体の重さが約1.5g/錠なので、1錠あたりの含量が高いHMBサプリメントだとしても、最低ネイチャーメイド2個分くらいの量を1日に取らないとおかしいし、そもそも効果は期待できないという事です。